障がいのある方と音楽を楽しむときに大切にしたい「その人のペース」
音楽を楽しむペースは、一人ひとり違います。
すぐに歌ってみたい方。
まずは演奏を聴いていたい方。
楽器をじっくり見てから触れてみたい方。
好きな曲だけ参加したい方。
同じ曲を何度も楽しみたい方。
途中で休みながら参加したい方。
障がいのある方と音楽を楽しむ場合も、「みんなと同じように参加すること」を目標にする必要はありません。
ムジカスケッチでは、一人ひとりの興味やその日の様子を見ながら、それぞれのペースで音楽と関われることを大切にしたいと考えています。
音楽との距離は一人ひとり違う
音楽が始まると、すぐに興味を持つ方もいます。
一方で、少し時間をかけて様子を見る方もいます。
演奏している人を見る。
周りの人が参加している様子を見る。
音を聴く。
楽器を観察する。
そこから少しずつ参加したくなることもあります。
最初から積極的に参加することだけが、音楽を楽しむ方法ではありません。
まずは見ているだけでもいい
初めての場所や初めての音楽活動では、すぐに参加したくない場合もあります。
そんなときは、まず見ているだけでも構いません。
誰が演奏しているのか。
どんな楽器なのか。
どんな音がするのか。
周りの人は何をしているのか。
安心してその場にいられることから始めます。
興味を持ったら、そのときに少し参加してみる。
そんな進め方もできます。
聴くだけの時間があってもいい
歌の時間だから歌う。
楽器体験だから楽器を持つ。
リズム活動だから手拍子をする。
必ずしもそうする必要はありません。
今日は音楽を聴く。
次回は少し手拍子をしてみる。
その次は楽器に触れてみる。
あるいは、ずっと聴くことを楽しむ。
その人に合った関わり方を大切にします。
好きなところだけ参加する
一つの音楽活動の中でも、最初から最後まで同じように参加する必要はありません。
好きな曲だけ歌う。
知っている曲だけ手拍子をする。
興味のある楽器のときだけ近くで見る。
途中で休憩する。
また参加したくなったら戻る。
活動する側が決めた流れにすべて合わせてもらうのではなく、その人が参加しやすい場所をつくることが大切です。
同じ曲を繰り返してもいい
新しい曲を次々に取り入れることが、必ずしもその人に合っているとは限りません。
好きな曲をもう一度聴きたい。
同じ歌をもう一度歌いたい。
同じリズムを繰り返したい。
同じ楽器をもう一度鳴らしたい。
そんな希望があれば、繰り返して楽しむ方法もあります。
音楽活動では、「たくさんのことを経験すること」だけではなく、「好きなことをじっくり楽しむこと」も大切です。
急がせない
楽器を渡したから、すぐに鳴らしてもらう。
曲を流したから、すぐに歌ってもらう。
手拍子を始めたから、すぐに真似してもらう。
そのように急いで反応を求める必要はありません。
少し待つ。
様子を見る。
興味を持ったら参加できるようにする。
本人のタイミングを待つことも、音楽活動を考えるうえで大切なことの一つです。
その日の様子によって変わってもいい
前回は楽しそうに歌っていたからといって、今回も同じように歌いたいとは限りません。
今日は聴いていたい。
今日は楽器を鳴らしたい。
今日は少し離れた場所にいたい。
その日の気分や状況によって、音楽との関わり方が変わることもあります。
「前回できたから今回も同じようにする」と決めるのではなく、その日の様子を見ながら進めることが大切です。
「できた・できなかった」だけで考えない
音楽活動をすると、どうしても成果を確認したくなることがあります。
歌えた。
リズムを取れた。
楽器を鳴らせた。
最後まで参加できた。
もちろん、そうした変化を見ることもあります。
しかし、それだけで音楽の時間を評価する必要はありません。
好きな曲を聴いた。
楽器に興味を持った。
同じ場所で音楽を楽しんだ。
一部分だけ参加した。
それぞれの関わり方があります。
一人ひとり違う参加方法を用意する
同じ音楽の中でも、いくつかの参加方法を考えることができます。
歌う。
聴く。
手拍子をする。
楽器を鳴らす。
身体を動かす。
演奏を見る。
一つの活動の中に複数の選択肢があれば、その人に合った関わり方を見つけやすくなります。
全員が同じことをすることより、それぞれが音楽を楽しめることを大切にします。
支援者の方に普段の様子を教えてもらう
施設で音楽活動を行う場合、日頃から関わっている職員や支援者の方から教えていただけることがあります。
普段どんな音楽を聴いているのか。
初めての活動にはどのように参加することが多いのか。
好きな楽器や音はあるのか。
苦手な音や環境はないか。
こうした情報を共有していただくことで、一人ひとりに合わせた進め方を考えやすくなります。
小さな変化も大切にする
音楽との関わりは、大きな変化だけではありません。
演奏している楽器を見る。
好きな曲になると少し身体を動かす。
自分から楽器に近づいてみる。
前回は聴くだけだったけれど、今回は少し手拍子をする。
その人なりの変化があります。
ただし、変化すること自体を目的にする必要もありません。
その人がその人の方法で音楽を楽しめることを、まず大切にしたいと考えています。
音楽療法ではなく、音楽を楽しむ時間として
ムジカスケッチが福祉の場で考えている活動は、医療・治療を目的とした専門的な音楽療法ではありません。
音楽教室として培ってきた歌唱、演奏、音楽指導の経験を活かしながら、それぞれの方が音楽そのものを楽しめる機会をつくることを大切にしています。
施設や支援者の方と相談し、その場所や参加される方に無理のない活動を考えていきます。
その人のペースで音楽と出会う
すぐに参加してもいい。
少し見ていてもいい。
好きな曲だけ楽しんでもいい。
途中で休んでもいい。
同じ曲を何度楽しんでもいい。
音楽との関わり方やペースは、一人ひとり違います。
ムジカスケッチでは、活動する側の予定に参加される方を合わせるのではなく、その場所にいる方の様子を見ながら音楽の時間をつくっていきたいと考えています。
福祉施設・地域団体のご担当者様へ
ムジカスケッチでは、一人ひとりのペースや参加方法を大切にした歌、生演奏、リズム、楽器体験などの音楽活動についてご相談を受け付けています。
「全員に同じ参加方法を求めない活動にしたい」
「利用者の方のペースに合わせて進めたい」
「まずは音楽を聴くところから始めたい」
といった段階からでも大丈夫です。
参加される方の年齢や人数、会場、普段のご様子、ご希望の内容などを伺い、施設や支援者の皆さまと相談しながら、その場所に合った音楽の時間を一緒に考えていきます。
まずはお気軽にご相談ください。
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