レッスンメモ No.15|演奏と歌をつなぐ「客観的な耳」を育てよう
音楽の練習というと、「たくさん弾く」「何度も歌う」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
もちろん、反復練習はとても大切です。
しかし、それと同じくらい、あるいはそれ以上に上達につながる方法があります。
それが「録音して聴き返すこと」です。
最近、久しぶりに一曲をじっくりコピーする機会がありました。
演奏している最中は「なかなか良い感じに弾けている」と思っていたのですが、録音して聴いてみると、自分が想像していた演奏とは少し違っていました。
「リズムが前に走っているな。」
「思ったよりアクセントが強い。」
「ここはもっと落ち着いて弾いた方が曲の雰囲気に合う。」
演奏している最中には気付かなかったことが、録音を聴くだけで次々と見えてきたのです。
演奏中は客観的になれない
演奏しているときは、コードを押さえることやリズムを刻むこと、歌詞を思い出すことなど、多くのことに集中しています。
そのため、自分の演奏を冷静に聴くことは意外と難しいものです。
一方で、録音を再生すると、まるでお客様の立場になって演奏を聴くことができます。
すると、
・リズムのクセ
・テンポの揺れ
・音量バランス
・強弱の付け方
・歌詞の伝わり方
などが自然と分かるようになります。
録音は「失敗を探すため」のものではありません。
自分では気付かなかった良い部分や、もっと良くなるポイントを発見するためのものです。
ギターだけでは気付けなかったこと
今回さらに大きな発見がありました。
録音したギターに合わせて、自分で歌ってみたのです。
すると、ギターだけを弾いているときには全く気付かなかったことが見えてきました。
ギターだけで聴くと心地良く感じるリズムでも、歌を重ねると歌いにくいことがあったのです。
ストロークが細かすぎる。
リズムのノリが忙しい。
伴奏が前へ出すぎていて、歌が落ち着かない。
ギター単体では「気持ちいい」と感じていた演奏が、歌を乗せると必ずしもそうではありませんでした。
これはとても大きな学びでした。
良い伴奏とは「歌が歌いやすい伴奏」
ギターを始めると、つい難しいストロークや細かいリズムに挑戦したくなります。
もちろん、それは技術向上につながる大切な練習です。
しかし、歌の伴奏として考えた場合、一番大切なのは「歌が気持ちよく歌えること」です。
歌が苦しくなるほど伴奏が忙しいのであれば、それは決して良い伴奏とは言えません。
時には音数を減らす。
少し余白を作る。
歌詞が自然に入るスペースを残す。
そうした工夫によって、曲全体がぐっと聴きやすくなることがあります。
伴奏は目立つことが目的ではありません。
歌を引き立てることが、本当に良い伴奏なのだと改めて感じました。
ボーカルの視点を持つと演奏が変わる
ギターを弾く人が歌も経験すると、「歌いやすいリズム」が分かるようになります。
逆に、ボーカルの方が簡単なコード伴奏を経験すると、「伴奏がどれだけ歌を支えてくれているか」が実感できます。
ムジカスケッチでは、ギターとボーカルの両方を学ばれる方も多くいらっしゃいます。
どちらも経験することで、音楽の見え方は大きく変わります。
「自分だけが気持ちよく演奏する」のではなく、「一緒に演奏する人が気持ちよく音楽をできるか」。
その視点を持つことで、演奏はさらに成長していきます。
上達する人ほど録音を習慣にしている
プロのミュージシャンでも、自分の演奏を録音して確認することは珍しくありません。
録音することで、小さなクセや改善点が見えてきます。
そして何より、自分では気付いていなかった成長にも気付けます。
「前よりリズムが安定している。」
「音がきれいになった。」
そんな変化を実感できることも、録音ならではの魅力です。
スマートフォンの録音機能だけでも十分です。
特別な機材がなくても、練習の質を大きく変えることができます。
ぜひ一度、いつもの練習を録音して聴いてみてください。
きっと、新しい発見があるはずです。
よくあるご質問(Q&A)
Q. スマートフォンで録音するだけでも意味がありますか?
はい。十分効果があります。
大切なのは高音質で録音することではなく、自分の演奏を客観的に聴くことです。スマートフォンの録音アプリでも、多くの気付きが得られます。
Q. 録音すると自分の演奏が下手に聴こえてしまいます。
多くの方が最初に感じることです。
しかし、それは成長するための第一歩でもあります。録音は「できていないところ」だけではなく、「できるようになったこと」にも気付かせてくれます。
Q. ギター初心者でも録音した方がいいですか?
もちろんです。
コードチェンジやストロークのリズム、テンポなど、初心者の方ほど録音による効果を実感しやすくなります。
Q. ボーカルだけ習っている場合でも録音は必要ですか?
おすすめしています。
自分が聴いている声と、録音された声は印象が異なります。
発声だけでなく、言葉の伝わり方やリズム、表現力の確認にも役立ちます。
Q. レッスンでも録音を活用していますか?
レッスン内容やご希望に応じて録音を取り入れることがあります。
録音を一緒に聴き返すことで、「ここが良くなった」「次はここを意識してみよう」と具体的な課題が見えやすくなり、効率よく上達につなげることができます。
録音は、自分を評価するためではなく、自分を成長させるための大切なツールです。
ぜひ、日々の練習に取り入れてみてください。
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